「一人一人が何のために働いているのか、話し合うきっかけができた」

「成長マインドセット」を取り入れることで、組織・個人はどう変わるのか。急成長スタートアップにフォーカスしてお届けする本連載、第一弾は、日本最大級の資格試験学習サイト「資格スクエア」を運営する株式会社サイトビジット代表取締役の鬼頭 政人さんにお話を伺います。

 

鬼頭 政人
1981年生まれ。開成中学、開成高校を特別優等の成績で卒業後、東京大学文科1類法学部)に現役で合格。同大学法学部卒業後、慶應義塾大学法科大学院に現役で進学し、同大学院在学中に司法試験に一発合格。司法修習を経て都内の法律事務所に弁護士として勤務。ベンチャー企業を多面的に支援したいと考え投資ファンドに転職した後、2013年12月に資格試験対策をオンラインで提供する資格スクエア」を創業、現在に至る。著書に『東大合格者が実践している 絶対飽きない勉強法』『資格試験に「忙しくても受かる人」と「いつも落ちる人」の勉強法』など。

 

急成長の社内で、組織作りが課題だった


ー「成長マインドセット」を社内で取り入れた背景を教えてください

当時、会社として4期目を迎えて事業は拡大しながらも、組織作りに対して課題を感じていました。成長に合わせて採用した社員の短期間での退職が続き、何が悪いのかとても悩んでいました。

そんな時に、お世話になっていた吉田さんから「成長マインドセット」について伺う機会があり、社員ほぼ全員で受講しました。

「ブレーキ」への対処法が得られた

ー全社で成長マインドセットのワークに取り組んでみて、感想はいかがでしたか?

社内で共通言語ができたことが何よりも大きかったですね。「悩みブレーキ」や「大きな子ども」などの言葉が、早速その日から社内を飛び交うようになりました。もやっとした状態を言語化できたようなイメージです。経営者にとって考えていることが思い通りに伝わらないのが一番苦しいので、同じ前提を持てたのは大きいですね。

あとは、私自身、メンバーがブレーキを踏んでいる状態を認識できるようになったのも一つの成果でした。

「ブレーキ」というのは言い得て妙で、本当に進みが遅くなるんですよね。ブレーキを踏んでいると、仕事に対するやる気が下がって、労働時間が減る。細部の質が落ちて、最高を目指す仕事から最低限の仕事に変わる。

これまでは、そんな状態を認識しながら、どう対応すればいいかわからなかったんです。給料や役職を変えるべきか悩んでいました。

それに対して、ブレーキの存在と種類を知ってからは、課題に対して参考になる拠り所ができました。特に三叉路理論などはそのままメンバーに話すことが多いですね。いつまでに決めるかを決める、決めたら2年はやってみるというのは非常に現実的だなと思います。

 

 

共通言語があるからこそできる1on1

ーその後、社内で実際に変化はありましたか?

一番わかりやすい形でいうと、翌日からメンバーとの1on1を始めました。成長マインドセットのワークにならって、メンバーが何のために働いているかを4象限に落とし込んで聞いていったんです。フィードバックはせず聞くだけです。純粋にメンバーが考えていることを理解しようという目的でした。

すると、「この人はこんなモチベーションなんだ」という発見があるんですよね。業務範囲が被らず、コミュニケーション量が少ないメンバーの中には私が誤解していたことに気づくケースもありました。実際に、個々人のモチベーションがわかってからは、何かを伝える時に「こう感じるはずだからこう伝えよう」と工夫するようになりました。

元々、1on1自体はやっていたんですが、「最近どうよ?」という雑談に近かったんですよね。課題感はありながら、どんな種類のコミュニケーションをとるべきか、フレームをもらったような気がします。この理論がメンバーとの共通言語になっているからできることだなと思いますね。急に「なんでうちの会社にいるの?」と聞かれても、出題意図を図られて不振がられてしまいますし。

 

メンバーが自由に活躍する組織作りの基盤に

 

ー今後、このマインドセットをどう社内で活用していきますか?

先の話とも重なりますが、メンバーの意志を汲んだ上で、統制でなく自立した自由な組織づくりを行うベースとして社内で浸透させていきたいです。

例えば、最近社内で「人生100年手当」という、プログラミングや資格など、社員の自己研鑽に補助を出す制度を始めたんです。メンバーが自由に活躍できる組織を作りたいと思って始めたんですよね。

このように、法人格としてアイスバーグを大きくして成長できるよう、共通言語としていきたいです。

 

鬼頭 政人さんのアイスバーグ

3000人以上の幹部層・リーダーの人材育成から生まれた
50枚の図でわかる人を伸ばす原理原則

 

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