自分も体験したからこそ、多くの人に伝えたい。 急成長ベンチャー人事が語る、「みんなで行う」組織づくり

「成長マインドセット」を取り入れることで、組織・個人はどう変わるのか。
今回は、再生医療の実用化を担うバイオテックベンチャー、株式会社ヘリオスの人事を含む管理部門の責任者である石川兼さん(同社取締役・執行役 管理領域管掌)にお話を伺います。

石川兼さん
コンサルティングファーム、ベンチャー企業などで事業の立ち上げ経験を積む。クックパッド株式会社人事部長・管理部長を経て、2013年に株式会社ヘリオス入社。 2014年執行役員就任。2017年取締役就任。2018年より現職。

 

自分自身も切り替わった一人


ー成長マインドセットを取り入れた背景を教えてください。

会社の規模が拡大する中で、より良い組織づくりのために導入しました。

ヘリオスは2011年に設立された会社です。4年前には10人程度だった社員が、今では100人を超えました。ところが、速いスピードで事業を展開し、並行して採用を増やす一方で、組織づくりにリソースを割くことができませんでした。それぞれ高い専門性を持った社員が入ってくれていたので、その能力を生かす掛け算の組織をつくるにはどうしたらよいか、考えるようになりました。

そこで昨年、組織づくりのために「成長マインドセット」の研修を受けました。はじめは役員のみ、次にミドルマネージャー、最後に全社員が受講しました。

 


ー石川さんはどの部分が印象に残りましたか。

三叉路理論やブレーキの考え方が印象的でした。実は僕自身、このブレーキの話を聞いて考え方が大きく変わった経験があるんです。

人事に責任を負う者として組織づくりを考え実行するにあたり、リソースも時間もなく、僕は強い孤独を感じていました。ちょうど上場の前後で社内体制が大きく変わり、自分自身の責任範囲が想定を超えて広がり続けた時期でもありました。あらゆる面でうまく進められている感じがなく、「このままでは役割を果たせないかもしれない」とかなり自信をなくしていました。

そんな時、自分の中のブレーキの存在を知ったんです。「10年やる必要はないから、まず3年全力でやってみる」「それでダメだったらまたその時考えよう」。これらのアドバイスがすとんと腹落ちし、まずはブレーキを踏まずに頑張ってみようと思うことができました。僕も、成長マインドセットを知って気持ちを切り替えることができた一人なんです。

おかげさまでそこから2年以上経ちますが、今もこうして走り続けることができています。多かれ少なかれ、みんな僕と似たような経験があるはず。それを深掘りし、言語化してくれるのが成長マインドセットだと感じています。

 

 

共通言語が、組織づくりの土台をつくる

ーご自身も影響を受けられた一人だったのですね。社員のみなさんは、受講後に変化がありましたか。

社内に共通言語が生まれた気がします。これは前職で学んだ言葉なのですが、組織に大事なのは「自律・分散・協調」だと思っています。個人が自律し、役割を持ちながら、協調して仕事をする。それを実現するための土台を、この研修で提供してもらった感じがします。

また、ミドルマネージャーの研修では、アンケートで95%以上がよかったと回答していました。何か得るものがあったと分かる、参加者の充実した表情が印象的でしたね。特に、身近に感じられるブレーキの話や、自責・他責の考え方が刺さったようです。これまでにテクニックやマネジメントの方法を学ぶ研修はたくさん受けましたが、マインドに訴えかけてくるのは初めてでした。

研修を経た今は、「自分一人が」でも「人事部門」がでもなく、「みんなで」組織を作っていける気がしています。

 

ー人事責任者にとって、社内で成長マインドセットを活用するために大切なことは何でしょうか。

まずは、自分が良いと思ったことを推進する勇気が大切です。サッカー元日本代表監督のザッケローニさんは、サッカーの戦術で重要なこととして「バランスと勇気」をあげています。これは僕たちにも当てはまると思うんです。

人事組織を考えると、発生している事象の本質を見極めつつ、抽象的なテーマの問題を具体的に解決しなければいけないことが多くあります。施策の多くは、一方を追求すると他方を犠牲にしなければなりません。両者のバランスをとることは極めて大切です。ただし、バランスを意識してばかりでは進まないこともあります。そのため、本当に大事だと思ったことは進める勇気が必要ではないかと思います。これは自分自身にも言い聞かせていることでもありますね。

次に、トップをはじめとする経営陣を巻き込むことです。どんなことも、自分一人でやろうとしても限界があります。トップの理解や後押し、承認をもらうことが大事ですね。そして周りに応援してくれる人を増やしていけるといいと思います。

最後に、「これをみんなに知ってほしい」という熱意です。ヘリオスは昨年複数回に分けて全社員への研修を展開しましたが、はじめは役員を中心にしたトライアルの予定だったんです。しかし最初の役員研修の時に僕のグループで「もう1回やろう」という声があがり、それが実現してミドルマネージャーへ、さらには全社員への研修が実現しました。

僕自身も三叉路理論の考え方を実践することでとても楽になった実体験がありましたし、色々なエッセンスのうち、どれかが刺さってプラスになる人はいるだろう、と思ったので全社員に受講してほしいと思ったんです。自分自身が熱意を持って推進することで、社員にも人事の思いが伝わり、一緒により良い会社づくりをする仲間を増やしていけると思います。

 

石川 兼さんのアイスバーグ

 

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